マル、行方不明事件
 1999年12月25日クリスマスの朝の散歩中に、事件は起こりました。
マルを原っぱで遊ばせていたんですが、まだ少し時間があるので川原方向に行きました。
マルはノーリードでした。
マルは大好きなティッシュを拾って、食べてしまいました。
これは悪い事です。
自分でもいけない事をしたとわかったようで、私は何も言っていないのに、マルは私から逃げました。
ここからは私が追いかけると、マルは逃げ、私が違う方向に行くと、マルは追いかけてきて・・・・を繰り返していました。
この時のマルはとても頑固で、なかなか捕まえる事ができませんでした。
おもちゃやおやつで誘っても、ダメでした。
私は風邪が本当に治っていなかった為、咳き込んで、頭もガンガンしてました。
早く捕まえて、帰らなければ・・・。
マルは階段を上がってしまって、上の道路と川原の間の中腹の道に居ました。
私もそこに行きました。
マルの向こう側の階段に居た2人連れのうちの一人、とても若い男性がマルの気を引こうと何かパフォーマンスをしていました。
私はそれには別に気にもしないで、マルを呼んでいたのですが、咳き込んでしまい、頭痛もしたので、マルがこちらを見ているのを確認し、座り込んで下を向いて咳をしてしまいました。
次に顔を上げた時には、マルもその男性も消えていました。
すぐに上の道路に上がって、川原を見渡したり、道路の向こう側辺りも探したのですが、どこにもいません。
「マル〜!!マル〜!!」名前も呼んだのですが、ダメでした。
下を向いていた、ほんの数分経つか、経たないかの間でした。
しばらくその辺りを探したのですが、居ないので、とりあえず帰宅し、警察に連絡をしました。
動物愛護センターにも連絡をし、家族にも連絡を取りました。
そしてまた探しに行きました。
居ても立っても居られなかったのです。
もう一度帰宅した時は、万が一、人に連れ去られた事も考えて、近燐のペットショップの何件かにも連絡しました。
頭の中は真っ白で・・・、でも何かをしていないといけない状態でした。
何度も外を探しに行っては、帰宅し・・・を繰り返しました。
マルが帰っているかもしれないからです。
でもその姿はどこにもありませんでした。

 夕方になろうとしている頃、警察から連絡があり、マルらしき犬が保護されているとの事でした。
「たぶん間違いないでしょう・・・・。」というお話。
すぐに先方に電話をし、その場所まで走って行ってみると・・・・マルが居ました。
涙が溢れて、止まりませんでした。
そこはひとつ大きな線路と、2つもの大きな道路を横断しないといけない場所で、距離的にも犬が行くには難しい所でした。
もちろん連れていった事などありません。
とても良い方々に保護して頂き、人通りの多い場所、しかも店頭だったので、マルは人気者になっていました。
体に幾つか怪我をして、血も流れていましたが、無事でした。
保護して下さった方も行方不明になった場所を聞いて、どうやってここまで来たんだろう?と首をかしげていました。
でもこればかりは今となってはマルにしかわからない事ですし、私にはそんな事はもうどうでも良い事でした。
何度も何度もお礼を言って、そのお店を後にしました。

 帰宅すると、すぐにマルは寝てしまいました。
いくつかの傷を見て、念の為獣医さんに連れて行く事にしました。
私がおせんべいをかじっても、あまり興味がなさそうだったからです。
食べ物に興味を示さないという事は、パグにとっては一大事ですから!!
血が出ている一番大きな傷は、犬に噛まれた後でした。
獣医さんのお話では、間違い無く犬歯の跡だと・・・。
私はスティックか何かで突かれたのかと思っていました。
それほど深くて、大きな傷でした。
熱もかなり高かったので、注射をしてもらいました。
飲み薬も出してもらいました。
やはりこういう時も、念のために獣医さんに診てもらう事をお勧めします。
マルはすごい興奮状態にありました。
何かに怯えているような風にも見えました。
それで寝るまでずっとそばに居てやりました。
翌日は比較的元気そうでしたが、数日は散歩禁止令が出てしまいました。
トイレは外でしかできない(でも翌朝初めて部屋でおもらしをした。)為、用を足しに行くだけにしました。

 本当にマルが帰ってきて良かったです。
もうノーリードにするのは止めようと思います。
やはりいつ、何が起こるかわからない事を痛感しました。
後悔をいくらしても、どうにもならない事も良くわかりました。
皆さんも絶対にこんな事がないように、注意して下さいね。
本当に長い、長い、1日でした。
 マルが見つかって、やっとお腹が空いて、今日は何も食べていないし、何も飲んでいなかった事を思い出しました・・・

 その後、マルは外に落ちているティッシュは絶対に見向きもしなくなりました(家の中のティッシュは相変わらず食べてしまう)。
そしてこの日から、マルは大の病院嫌いになりました。
  
BACK

   

NEXT